研究概要 |
本年度は,単一遺伝子疾患の原因遺伝子同定のために次世代型シーケンサーの応用を考え,シーケンスキャプチャー(エキソンシーケンス濃縮)法を開発改良することと目標としていた。また,同時に種々の遺伝性疾患の遺伝子座マッピングを行うことも目的とした。 対象疾患としてALS(筋萎縮性側索硬化症),AVM(脳動静脈奇形),軟口蓋裂,中條西村症候群の遺伝子座マッピングを行った。方法は,SNP chipを使っての連鎖解析法とホモ接合マッピングによっておこない,AVMが全ゲノム内で2箇所にまでしか特定できなかったが,他の疾患は一箇所に同定することができ,マッピングが完了した。 第一目標であったシーケンスキャプチャー法の開発改良は,開発を進めていた方法をつかった同様の方法が商業ベースのキットとして利用できるようになったために,それを利用することとした。 遺伝子座マッピングに関しては,上記4種類の疾患に関してマッピングを終了させ,ゲノム異常検索の段階に入った。塩基配列決定は,ALS(筋萎縮性側索硬化症),AVM(脳動静脈奇形),軟口蓋裂に関しては,候補領域が広くシーケンスキャプチャー法によって塩基配列解析を進めている。中條西村症候群は,候補領域が狭く同定できたので,これまで通りのキャピラリーシーケンサーにて解析を進めた。中條西村症候群の原因遺伝子を同定して現在論文作成中である。 ALS,AVMについてシーケンスキャプチャー後に,外部委託して次世代型シーケンサーを使って塩基配列決定を行った。現在塩基配列の解析中でALSおよびAVMの原因変異の探索中である。
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