研究課題
CAST法によって食道癌、胃癌特異的膜蛋白・分泌蛋白を同定し、このcore-regulationを担うmicroRNA(miRNA)を明らかにすることにより、根幹的な診断・治療開発を目的として、本年度は以下のとおり実施した。1)CAST法による胃癌特異的膜蛋白・分泌蛋白コード遺伝子の同定と機能解析胃癌細胞株3株と正常胃粘膜組織のCASTライブラリーを作成、5664コロニーについてシークエンスを行ない、620遺伝子を同定、その内、30%以上が膜蛋白、10%程度が分泌蛋白コード遺伝子であった。正常胃粘膜との比較および定量的RT-PCR法での発現検証において胃癌に特異性の高い遺伝子群を抽出した。DSC2は、CDX2で発現が制御され、腸型粘液形質と相関を示したが、予後とは関係なく、si-RNAを用いた検討で増殖能、浸潤能に影響を及ぼさなかった。同様に見いだしたTSPAN8は、胃型粘液形質と関連し、陽性例は予後不良であり、増殖、浸潤が抑制された。また、スキルス胃癌2例、1632クローンの解析で、TM9SF3を同定した。2)胃癌における網羅的miRNA発現解析と標的遺伝子の同定miRNAマイクロアレイを用いた胃癌の解析で、miR-148aが胃癌で発現低下し、miR-143,miR-145が低分化癌で発現亢進することを見いだした。PicTar等のアルゴリズム解析および強制発現/ノックダウン系を用いた検討で、EGFRおよびMMP-7が抑制型標的遺伝子であり、増殖能。浸潤能を制御していることが明らかとなった。過剰発現するmiR-143は、KRAS、ERK5、DNMT3A、versicanなどを標的とし、細胞外へ分泌されることを確認した。パラクリンファクターとして癌細胞・間質相互作用に関わる可能でいがあり、間質細胞との共培養系を用いて解析を進めている。
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