研究課題
基盤研究(B)
GPR49/LGR5遺伝子は、幾つかの癌で過剰発現すると共に、マウス小腸上皮並びに毛胞の幹細胞マーカー遺伝子であることが報告されている。我々は大腸発癌における意義を検討した。LGR5は対応する正常粘膜と比較して大腸癌50例中35例で高発現して、大腸腺腫においても全例で高発現していた。またLGR5の発現レベルは、リンパ管侵襲、静脈侵襲、腫瘍深達度、リンパ節転移、腫瘍病期(IIIC vs. IIIB)と有意な相関を認めた。一方、in situハイブリダイゼーションにて、背景粘膜では、小腸と大腸の陰窩底部の円柱状細胞において特異的にLGR5の発現が認められた。以上の結果はLGR5が大腸癌発癌の初期のみならず浸潤転移といった後期においても重要な役割を果たしていることを示唆している。さらに、LGR5の癌における機能を明確にする目的で、肝癌細胞を用いLGR5の高発現ないし発現抑制細胞株を作成した。In vitro, in vivo解析の結果から、ヒト肝癌組織における結節形成や索状配列、あるいは肝癌の薬剤治療の抵抗性など肝癌に特徴的な形態がLGR5の高発現によることが一因となっている可能性が高いことが示された。
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