研究課題
本研究は、炎症の起点の細胞を同定する目的で計画された。炎症の起点細胞はNFkBとSTAT3が活性化された状態となり、私たちはこの活性化状態をIL-6アンプと呼んで検討してきた。その結果、IL-6アンプはIL-6自体のポジティブフィードバック機構であるとともに病理的、炎症学的にはケモカインの過剰発現機構であることが判った。具体的には以下の2つの実験を精力的に行った。1.脊髄の血管内皮細胞に存在する病原T細胞の中枢神経系への侵入口第5腰椎の背側の血管の内皮細胞にサイトカインIL-6と神経刺激によるノルアドレナリンの刺激にてSTAT3とNFkBが活性化してケモカインの過剰発現系IL-6アンプが活性化し免疫細胞の中枢神経系への入り口となっていることが判った。血液中に中枢神経系の抗原に対する自己反応性T細胞が存在すればこの部位から侵入して病気を発症した(Cell2012)。2.血管内皮細胞でのケモカイン発現機構IL-6アンプの制御遺伝子のゲノムワイドな解析実験2にて解析したIL-6アンプの活性化制御遺伝子を同定する目的でshRNAを搭載したレンチウイルスを用いたゲノムワイドな解析を行った。その結果、IL-6アンプの活性化は1000個以上の遺伝子にて制御されていることが判った。これらの遺伝子にはこれまで遺伝学的に病気、病態との関連が証明されたのもが10%以上存在して疾患関連遺伝子が濃縮されていることが判った(under revision)。
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