• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

マラリア感染によるCD4陽性T細胞機能抑制の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21390125
研究機関長崎大学

研究代表者

由井 克之  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90274638)

研究分担者 木村 大輔  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50423637)
水崎 博文  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40467957)
キーワード原虫 / マラリア / 赤血球 / サイトカイン / 感染モデル / T細胞 / インターロイキン2 / インターフェロンγ
研究概要

マラリアは世界的に極めて重要な感染症であるが、その病態や宿主の免疫応答機序については十分に解明されていない。ワクチン開発のためにはこれら基礎的な理解が不可欠である。我々は、マラリア感染マウス実験モデルにおいてCD4^+T細胞の抗原刺激に対する応答は通常のT細胞とは異なり、IL-2産生は低下し、IFN-γ、IL-4やIL-10産生は亢進していることを明らかにした。さらにこの機序を解明する目的で、モデル抗原OVAを発現するマラリア原虫Plasmodium berghei ANKA (PbA-OVA)を作製し、OVA特異的T細胞の応答を解析した。その結果、意外なことにPbA-OVA感染マウスでOVA刺激に対し高いIFN-γ産生を示すのはOVA特異的T細胞ではなく、むしろ他のCD4^+T細胞であることが明らかになった。さらに詳細な解析から、マラリア感染マウスでは、感染により活性化されIL-2受容体を発現するCD4^+T細胞は、抗原非存在下IL-2刺激だけでもIFN-γ産生を誘導されることが明らかになった。一般にCD4^+T細胞は抗原刺激を受けてIFN-γ産生を行うと考えられており、IL-2のみでIFN-γ産生を行うことは新規の重要な知見である。さらに、抗原刺激に対するIFN-γ産生についても、抗IL-2受容体抗体で完全に抑制されることから、IL-2依存的であることが明らかになった。どのような場合にIL-2依存性のIFN-γ産生を行うのか、どのような場合に非依存的な産生を行うのか、現在メカニズムの解明へと進んでいる。またCD4^+T細胞のIL-2産生抑制は、以上にように主要な抗炎症生サイトカインIFN-γ産生とも密接に関連しており、本研究の目的であるIL-2産生抑制機構の解明と共に、宿主サイトカインネットワークの制御機構がマラリア感染に伴いどのような修飾を受けるのか、全体像の解明に向けて今後とも研究を推進する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The JMJD3-IRF4 axis regulates M2 macrophage polarization and host response against helminth infection.2010

    • 著者名/発表者名
      Satoh, T., Takeuchi, O., Vnadenbon, A., Yasuda, K., Tanaka, Y., Kumagai, Y., Miyake, T., Matsushita, K., Okazaki, T., Saitoh, T., Honma, K., Matsuyama, T., Yui, K., Tsujimura, T., Standley, D.M., Nakanishi, K., Nakai, K., Akira, S.
    • 雑誌名

      Nature Immunology

      巻: 11 ページ: 936-944

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of IFN-γ by CD4^+ T cells in response to malaria antigens is IL-2-dependent2010

    • 著者名/発表者名
      Kimura D., Miyakoda M., Honma K., Yuda M., Chinzei Y., Yui K.
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 22 ページ: 941-952

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マラリア感染防御とCD8^+ T細胞2010

    • 著者名/発表者名
      由井克之、都田真奈
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 55 ページ: 89-94

  • [学会発表] Production of IFN-γ by CD4^+ T cells in response to malaria antigen is IL-2-dependent2010

    • 著者名/発表者名
      D.Kimura, M.Miyakoda, K.Honma, K.Kimura, M.Yuda, Y.Chinzei, K.Yui
    • 学会等名
      14^<th> International congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20100822-20100827
  • [学会発表] CD4^+ T細胞のマラリア原虫抗原特異的IFN-γ産生はIL-2依存的である2010

    • 著者名/発表者名
      木村大輔、都田真奈、本間季里、木村一美、油田正夫、鎮西康雄、由井克之
    • 学会等名
      第79回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      20100520-20100521
  • [学会発表] Production of IFN-γ by CD4^+ T cells in response to malaria antigen is IL-2 dependent during infection with Plasmodium berghei2010

    • 著者名/発表者名
      D.Kimura, M.Miyakoda, K.Honma, K.Kimura, M.Yuda, Y.Chinzei, K.Yui
    • 学会等名
      Keystone Symposia
    • 発表場所
      Colorado, USA
    • 年月日
      20100411-20100416
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/mmi/im/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi