研究課題/領域番号 |
21390144
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
山本 直樹 国立感染症研究所, エイズ研究センター, センター長 (00094053)
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研究分担者 |
梁 明秀 横浜市立大学, 医学部・微生物学, 教授 (20363814)
阪井 弘治 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (60260270)
武田 哲 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 研究員 (50396959)
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キーワード | HIV / AIDS / 移植・再生医療 / ウイルス / 感染症 |
研究概要 |
新しく開発されたヒトiPS細胞を用いて、ヒトレトロウイルス感染症に対する新規治療法による感染予防と治療薬の開発のための基盤情報を得ることを目的に、1)造血幹細胞への分化実験、2)マウスモデルの開発、3)iPS細胞へのHIV-1抵抗性遺伝子の導入、4)ヒトiPS細胞およびサルiPS細胞の作製という4つの柱を立てて研究を開始した。1)については、すでに報告されている方法に基づき行ったところ、効率はあまりよくなかったがCD34+細胞が確認された。今後プロトコールの改良を行い、誘導効率の向上を目指す。さらに、ES細胞では報告のあるdendritic細胞への分化を試み、HIV-1が実際に感染するかどうか確認する。2)に関しては、現在、NOGマウスにiPS細胞を分化させずに静脈中に移植し、経過を観察しているところである。今後は経時的に採血を行い、ヒトのリンパ球が誘導されるか確認する。また、iPS細胞を1)の方法で造血幹細胞に分化させた後、マウスに移植した場合についても動態を観察する予定である。3)については、変異型CCR5遺伝子の野生型との交換導入については、現在導入方法の模索を行っている。それ以外の遺伝子については、Vifタンパクと結合しないあるいはユビキチン化されないAPOBEC3G遺伝子の導入を試みている。現在遺伝子導入後の薬剤選択を行っている。樹立後は1)、2)の結果と総合し、実際にHIV-1に対して抵抗性を獲得するか確認を行う。4)について、ヒトiPS細胞の樹立についてはテラトーマ形成確認などほとんど完了し技術的に確立された。現在、サルについてもカニクイザルの何種類かのprimary細胞を用い、山中法の4つの遺伝子を導入し樹立を試みている。
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