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2009 年度 実績報告書

CARMA1シグナルの制御機構と免疫恒常性維持における役割

研究課題

研究課題/領域番号 21390153
研究機関佐賀大学

研究代表者

原 博満  佐賀大学, 医学部, 准教授 (20392079)

キーワードT細胞 / B細胞 / シグナル伝達 / NF-κB / ITAM / アレルギー / 免疫寛容 / 抗原受容体
研究概要

我々はCarmalのGukドメインに結合する分子を酵母ツーハイブリッドスクリースング法により探索した結果、CarmalのSH3ドメインがスクリーニングされ、Carmalが自身のSH3とGukドメインで会合することが明らかとなった。また、この相互作用は分子間会合よりも分子内会合が優位であることが判った。CarmalのGuk、SH3の欠失変異や、Guk-SH3会合を失わせるSH3内の点変異(L820P)は、TCRやPKCを介したNF-κB活性化をほぼ完全に失わせた。また、L820Pマウスノックイン(L820P-KI)マウスは、Carmal-nullマウスとほぼ同様の形質(BCR.TCRを介したNF-κB活性化不全によるリンパ球活性化不全、血中IgMの低下、B-1BやMZBの消失、Tregの減少)を示した。このことから、SH3-Gukドメインの相互作用は、抗原受容体を介したNF-κB活性化に必須の役割を演じることが明らかとなった。しかし一方で、L820P-KIマウスは10週齢前後から耳介と尾に、炎症細胞の浸潤を伴う湿疹様の皮膚病変を生じることを見いだした。20週齢前後から耳介、尾部皮膚症状は瘢痕化し、前腕の届く範囲を中心としたびらんを形成した。この症状は点変異ホモ接合体のみに認められ、ヘテロ接合体や,CARMA1-nullマウスには認められなかった。病状を発症したマウスでは、脾腫、リンパ節腫大が認められ、30週齢で血小板、赤血球が減少し、白血球の上昇が認められた。また、血清中のIgG2a/2b、IgMとIgAが低値である一方,IgE値の著しい上昇が認められた。さらに,KIマウスの血清中には真皮に対する自己抗体の存在が確認された。病状を発症したマウスのT細胞をin vitroにて抗CD3抗体で刺激した所,IFN-γの産生量が点変異ヘテロマウスと同等であるのに対し,IL-4は著しく高い産生量を示したことから,KIマウスの病態がTh2分化の亢進に起因している可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] L-CBM signaling in lymphocyte development and function2010

    • 著者名/発表者名
      Hiromitsu Hara
    • 雑誌名

      Journal of Blood Medicine 1(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CARMA1(CARD11)によるNK細胞活性化の制御2010

    • 著者名/発表者名
      原博満
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科 52

      ページ: 133-139

  • [雑誌論文] CARD9 vs.CARMA1 in innate and adaptive immunity2009

    • 著者名/発表者名
      Hiromitsu Hara
    • 雑誌名

      Trends in Immunology 30

      ページ: 234-242

    • 査読あり
  • [学会発表] In vivo analysis of molecular mechanism for pre-TCR-mediated β-selection2009

    • 著者名/発表者名
      石川絵里
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会学術集会ワークショップ
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-12-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.mcis.med.saga-u.ac.jp/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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