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2011 年度 実績報告書

急増する前立腺がんに対するPSA検診の意義に関する医療経済学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 21390157
研究機関東北大学

研究代表者

濃沼 信夫  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60134095)

キーワード前立腺がん / PSA検診 / 医療経済 / KJ法
研究概要

本研究は、わが国においても急増している前立腺がんに対し、臨床面ではいまだに合意形成がなされていないPSA検診の意義について医療経済の立場から検証することを目的とする。すなわち、これまでの文献の分析から、前立腺がんに対するPSA検診の利益と不利益を比較考量すると、無症状の男性に対するPSA検診は推奨できないとされる(U.S.Preventive Services Task Force,2008年)。その一方、欧州前立腺がん検診無作為化試験(ERSPC)では、55~69歳の男性約16万人を対象とした11年間の追跡調査で、PSA検診では検診のエンドポイントである死亡率の有意な減少(前立腺がん死亡リスクの相対減少率21%)が認められている(Schroder FH et al.N Engl J Med,2012年)。
本研究では、全国の40歳以上80歳未満の男性を対象に、PSA検診に対する意識に関するアンケート調査を実施し、得られた26,186名の回答を解析した。自由意見のテキスト分析を行うと、前立腺がん検診を受けた者(n=1,807)の検診方法に対する意識は、PSA検査は安心、簡単、簡便、直腸診では恥ずかしい、痛い、エコー検査では不安のkey wordが抽出された。前立腺がん検診を受けた者は、積極的、定期的、早期発見、良いなどの肯定的意見が多いが、受けていない者は、心配、怖い、恥ずかしい、啓蒙、知るなどの否定的な意見と情報提供を求める意見が多かった。KJ法による内容分析を行うと、PSA検査を受けた者の印象では、簡便・簡単(29%)、安心(12%)、直腸診の負担感(6%)などがカテゴリー化された。前立腺がん検診に対する意識では、自分とは無関係(19%)がある一方、前立腺がん検診啓蒙の大切さ(18%)、受診機会の増大(11%)など、前立腺がん検診を肯定的にとらえる項目がカテゴリー化された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] がん薬物療法と患者負担2011

    • 著者名/発表者名
      濃沼信夫
    • 雑誌名

      Critical Eyes on Clinical Oncology

      巻: No.39 ページ: 11-11

  • [学会発表] The burden of Cancer in Japan2011

    • 著者名/発表者名
      Koinuma N
    • 学会等名
      19th Seoul International Cancer Symposium
    • 発表場所
      Seoul National University, Seoul, Korea
    • 年月日
      2011-11-29
  • [学会発表] The economic burden which affects the medical decisions in cancer patients2011

    • 著者名/発表者名
      Koinuma N
    • 学会等名
      8th World Congress on Health Economics
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      2011-07-11

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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