研究課題/領域番号 |
21390158
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
高橋 都 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20322042)
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研究分担者 |
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
小林 真理子 国際医療福祉大学, 大学院・医療福祉学研究科, 准教授 (70383106)
丸 光惠 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (50241980)
武田 裕子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70302411)
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キーワード | がん / サバイバーシップ / 親のがん / がんイメージ / 教育現場 / 精神腫瘍学 |
研究概要 |
本研究の目的は、がんサバイバーが地域社会の中で自分らしい暮らしを実現するための課題を把握し、日本の社会文化的背景や医療システムに基づいた対策を提言することである。平成21年度は、親ががん治療を受ける子どもへの支援に焦点をあて、親のがん(parental cancer)に関する文献検討を進めるとともに、学校関係者を対象とした二つの調査を実施した。 ■調査1. 養護教諭調査 栃木県内の小・中・高校に勤務する全養護教諭720名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施。有効回答数256(有効回答率35.6%)。平均年齢44.2歳。回答者の24.2%は、がんを持つ親の子どもに関する相談を受けた経験を有した。実際に行った関わりは(1)「担任・学年主任との連携」49名、(2)「生徒と面談」40名、(3)「他職種(スクールカウンセラーや心の教室相談員)との連携」8名、「がんの親との面談」8名、「グルーフケア」8名。相談経験の有無に関わらず、養護教諭が参考にしたい情報・事柄として、(1)子どもの年齢に応じたがんという病気の説明の仕方(79.2%)、(2)子どもに表れる反応(心理面、身体面、行動面)(73.5%)、(3)子どもを支援する際の留意点・介入後の対応について(71.9%)が選択され、実際の子どもへの対応に関する情報が求められていることが明らかになった。 ■調査2. 一般教諭調査 那須塩原市内の公立小中学校35校に勤務する一般教諭1014名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施。有効回答数608(有効回答率60.0%)。平均年齢39.8歳。がんを持つ親の子どもに関する相談を受けた経験を有したのは回答者の11.2%であり、相談にのった相手は生徒の母、生徒自身、生徒の父、他の教諭の順であった。がんの親を持つ児童生徒を支援していく際に、参考にしたい事柄や知っておきたい情報としては、「年齢に応じた病気説明の仕方」「子どもの反応」などが挙げられた。
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