研究課題/領域番号 |
21390164
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
信友 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (90037424)
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研究分担者 |
萩原 明人 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50291521)
濱嵜 朋子 九州女子大学, 家政学部, 准教授 (60316156)
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キーワード | 患者 / 歯科 / リスク / コミュニケーション |
研究概要 |
本研究は、歯科医療機関の患者、歯科医師、歯科衛生士を対象に、自記式質問票を用いて、3者間のコミュニケーションを評価するものである。特に、3者をセットにした3者コミュニケーションとして把握し、各2当事者間のコミュニケーション(「歯科医師-患者」「患者-歯科衛生士」「歯科医師-歯科衛生士」)の齟齬(例、歯科医師と歯科衛生士が患者に異なった説明や指示をする)や質が患者のコンプライアンス、治療に対する患者の満足度、受診行動に及ぼす影響を評価する。コミュニケーションの質は、萩原が提唱している方法である、患者と医療者に同じ選択肢を有する同一の質問(例、副作用に対する説明は十分ですか?)を発して回答を求め、両者の認識のズレで評価する。 平成23年度は、前年度までに終了した三当事者間のコミュニケーション(「歯科医師-患者」「患者-歯科衛生士」「歯科医師-歯科衛生士」)に関する調査をデータベース化し、データ解析を行った。歯科医師-患者-歯科衛生士のペアは413で、その内訳は179人に歯科医師に対し、1~5の患者と歯科衛生士のペアが割り振られている。3当事者の場合、歯科医師-患者、患者-歯科衛生士、歯科医師-歯科衛生士という3種類の2当事者間コミュニケーションが存する。歯科衛生士-患者および歯科医師-患者コミュニケーションは、歯科衛生士-歯科医師コミュニケーションとは直接的なかかわりを持たない。しかし、歯科医師-歯科衛生士コミュニケーションが他の2者間のコミュニケーションに影響する可能性が示唆された。これは本研究で最も特徴的な知見であり、今後のチーム医療のあり方を考えるうえで、理論的および実務的に重要な意味を持つと思われる。早急に知見を論文にまとめ発表する予定である。
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