研究概要 |
平成19年度と平成20年度の福岡県の5自治体の基本健診を受診しており、糖尿病で治療中の者及び未治療でHbA1C6.1以上の者全員を対象とした。対象者の受診後の12ケ月間の受診状況をフォローアップし、平成19年度と20年度の健診結果で評価を行った。受診状況はレセプトで把握し、入院件数、入院費用、入院日数、外来件数、外来費用、外来日数、調剤費用額、生活習慣病管理料算定件数、生化学検査算定回数、眼底検査算定回数、経口糖尿病薬処方件数とした。診療の評価は、平成19年度と平成20年度のBMI、HBA1c、空腹時血糖を指標とし、検定には対応のあるt検定を用いた。男性が56.7%、女性が43.3%、40歳代が0.9%、50歳代が10.3%、60歳代が66.7%、70歳以上が22.1%であった。入院件数は0.05、入院費用額は18,255.円、入院日数は0.66日、外来件数は7.85、外来費用額は79,459円、外来日数は26.75日、調剤費用額は41,555円、総医療費は139,269円であった。生活習慣病指導が36.6%、生化学検査が55.2%、眼底検査が7.5%、経口糖尿病薬処方が43.3%であった。変動係数は大きく、診療のばらつきが大きいことが示された。BMIは23.5kg/m^2から23.4kg/m^2へ、HBA1cは6.9%から6.6%、空腹時血糖は136.2mg/dlから128.8mg/dlへ変化した。HBA1cと空腹時血糖の変化が有意であった。平成19年度と平成20年度の健診結果では、HBA1cは6.9から6.6、空腹時血糖は136.2から128.8と有意に改善していたが、未受診者群と受診回数が6回未満群では血糖の改善は明らかでなかった。保険者がデータベースを用いて疾病管理を行うことで、疾病管理に貢献できる可能性があることが示唆された。
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