医薬品開発において、候補化合物が開発中止になる主な理由の一つは、非臨床および臨床における薬物誘導性の毒性の発現にある。特に開発段階での薬物誘導性肝障害発症の問題が多く発生している。市販後に極めて低い確率であるが、重篤な肝障害で販売ができなくなる事例が多く、製薬企業や患者のみならず社会にとっても不利益となっている。臨床で肝障害の報告があるが、代替薬が無いために使用され続けているハロタン、ジクロキサシリンやフルクロキサシンによる肝障害動物モデルを確立した。miRNAは、極めて多くの標的タンパク質を有するために、生体の恒常性の維持に欠くべからざるものであると同時に、miRNAの変動は生体に取って影響を及ぼすであろうことが多くの研究から推察される。本件研究では、肝障害モデル動物の作製および血漿中miRNAの網羅的発現変動解析を行い、末梢血miRNAのバイオマーカーとしての有用性を明らかにした。
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