研究課題
肺癌・食道癌の発症初期での検出および疾患増悪を早期に感知する統合的病態診断系を開発し、それを迅速に癌予防・診断・治療へ展開することを目的として、平成22年度は、解析基盤(技術・試料)の確立と血清バイオマーカー候補分子の同定を進めるとともに、免疫組織学的バイオマーカー候補分子の同定を行った。(1)プロテオーム解析と迅速多検体ELISA解析:肺癌の複数のサンプルセットでこれまでに申請者らが確立した血清プロテオーム解析(探索的アプローチ)と網羅的遺伝子発現情報解析で独自に同定した血清腫瘍バイオマーカーのELISA解析(候補アプローチ)を行い、複数の新しい診断バイオマーカー候補を同定した。引き続き診断アッセイ系の構築を進めた。(2)組織マイクロアレイ法による臨床病理学的評価:上記で選出された血清バイオマーカーおよび網羅的発現情報解析で癌組織における高レベルの遺伝子発現が確認されたバイオマーカーの抗体を入手・作製して、多数の癌患者群での発現分布(組織型、分化度、病期、予後との相関)を各種癌組織および同一患者由来の各種正常臓器由来組織をスポットした腫瘍組織マイクロアレイ(肺癌他)および正常組織マイクロアレイで免疫組織染色を行った。結果、蛋白発現レベルが癌患者の生命予後の短縮やリンパ節・遠隔転移等の臨床的な癌の悪性度に相関する新しい組織染色バイオマーカーを複数抽出した。これらについては、引き続き診断アッセイ系の構築を進めた。
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