研究分担者 |
金森 寛充 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20456502)
森 一郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40444327)
大澤 陽介 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60447787)
齋藤 邦明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80262765)
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研究概要 |
基礎的検討の結果、スタチン系薬剤のうちロスバスタチンが最もカルシウム濃度変化の測定に最適であることを確認し、本薬剤を服用した患者のなかで、血中CKの上昇例あるいは筋肉症状を発現した症例で、かつカルシウム濃度変化の大きかった18例についてCPTII遺伝子のExon2,3,4,5の4つの部位における変異をdirect sequenceにて検討した。その結果、増幅可能だったExon4の13例中2例にC.1102G>A ( p.Val368Ile)の変異が見出された。これは効率的に変異を発見できることを示している。一方、変異Exon3およびExon5については異常が認められなかったが、Exon2について18例すべてc.147G>C (p.Leu49Leu)の変異があり、アミノ酸に変化がないものの、既知の報告と異なっていた。これについてはさらに検討を進める必要がある。 今回はCPTII遺伝子のみ検討し、他の細胞内カルシウム濃度に影響を与える可能性のある遺伝子(VLCAD, CPTII, OATP-C, MDR1, MRP2, CYP3A4など)についての検討は行っていない。しかし本研究のFCM methodによるリンパ球内カルシウム濃度変化の測定はこれら遺伝子変異による異常すべてを包括的に評価している可能性がある。以上からFCM methodによるカルシウム濃度変化の検査は、スタチン服用前の筋障害副作用発現の予知検査として有用である可能性が示唆された。
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