研究課題
本研究の最終目的は、近い将来においてがん治療の中心となる分子標的療法と個別化医療の促進を計ることとその実施に当たってのpharmacogenomics検査の効率的なシステムの構築である。また、真の個別化医療とは、がんの個性・患者の個性・患者の人生観の個性・がんの原因の個性などを網羅的に統合的した医療が真の個別化医療と考えられる。そこで。今年度は、そのために、現在導入されている分子標的の先陣を走るPh(+)白血病のM-,m-,μ-bcr-ab1を定量し、Gleevecや類似のチロシンキナーゼinhibitorsの効果のmonitorし、これらの薬物に対する抵抗性とchimeric ab1の変異の出現の相互関係を調べた。このpreliminary実験の過程でab1遺伝子は35bp insertionをchimericに限らず存在することを見いだした。この意義づけは今後の薬物反応性と関係で明らかにして行きたい。次に、chimeric ab1のmutationsとGlevecの抵抗性については、昨年に引き続き症例を増やし、mutationの発現と抵抗性の程度、使用量との関係をMRDのレベルで評可するsystemを樹立したい。一方、K-Ras wild-ype and mutantとの関係は症例を追跡しつつある。さらに、今年度は肝癌のRibavrin+Peg-IFNによる前がん状態の治療に関する個別化治療について新たに追加した。従来、本治療の場合、患者サイドの個性は無視して、肝炎ウイルスHCVのgenotypenにて層別化して治療の適応が決められていた。即ち、患者サイドの遺伝的情報は無視されていた。所が、IL28B遺伝子はIFN-rの産生を介して感染クリアランスやExogeneous IFN療法に影響する。このことは、今後はウイルス性悪性腫瘍ではウイルスの個性とIL28BのSNPにも注意する必要があることが分かってきた。
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