研究課題
本研究の最終目的は、がん治療の新しい理想的な医療モデル、Personalized Oncologyを促進するためにPharmacogenomicsの支援検査の支援法の確立であった。本年度は、最終年のために、過去の総括と未来へ通じる研究を展開した。腫瘍個別化医療は、先ず第一に検査にて生殖系細胞ゲノムの特性を調べ(Bio-markers)で薬物代謝系の層別化を行なう。次いで腫瘍ゲノムの特性を明らかにして、層別グループごとに最善の治療を行う基盤検査をリストアップすることである。そのような成果として、発がんウイルスの1つHCVのInterferone (IFN)治療感受性を規定するrs8099917 SNPのGenotypeを調べた。結論がでるまでに、実際に臨床におけるIFN療法のoutcomeを検討した。一方、成人T-細胞白血病(ATL)もIFN治療の対象であるが、ATLは二次的免疫不全状態で死亡するとこが多い。その一因にIL-28BmRNAのSNPによる影響を明らかにした(Kamihira S., Virol.J.Paradoxical Expression IL-28B mRNA in peripheral Blood In HTLV-1 mono-infection and Co-infection with HCV).一方、最初から樹立している「白血病マーカーバンク」は約2万検体の情報バンクに成長し、Southern Blot (SBH) bankは2011/01には1,000検体のSBHの情報が集積してきた。この情報を基に、原著論文も発刊された(Clonal Heterogeity in provirus insertion of HTLV-1 in the Smoldering subtype of ATL : Continuity from carrier status to Smoldering ATL)。尚、大腸がんのCompanion Diagnosticsとしてのk-Rasの検査は約150例になり、今後はwild-typeとmutation間でのErbitaxの有効性についてまとめる時期になった。奇しくも分子標的療法が臨床の現場に導入されんとする時に、本科学研究補助費の援助を受けて多くの成果・原著論文を発刊することが出来た。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件)
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