研究分担者 |
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (80161727)
細川 敏幸 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
藤田 博美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60142931)
村山 俊彦 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90174317)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
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研究概要 |
第一に、微量金属の神経細胞移行時の選択的透過性や細胞内動態および脳内微量金属の代謝制御機構に関わる金属イオン膜輸送蛋白およびメタロシャペロンの役割を明らかにする。これらを基礎として、微量金属が中枢神経伝達機構の構築および脳機能の発現・保持・増進に果たす神経科学的役割を明らかにする。さらに、微量金属が促進因子として関与するとされる老化、神経変性疾患に伴う脳機能の低下の機構解明や予防・治療法の開発を図ることを目的とする。 本年度は,基礎的データとして,1.亜鉛の銅吸収抑制機構における金属イオン膜輸送蛋白およびメタロシャペロンの役割を明らかにする目的で,亜鉛過剰ラットを作製して検討した。その結果,亜鉛による銅吸収阻害は,まず,亜鉛過剰摂取により腸管の銅膜輸送蛋白Ctrlが減少することで起こり,次に亜鉛により誘導されたメタロチオネインに銅が結合して吸収されなくなる2段階によることが明らかになった。また,銅メタロシャペロンCCSが細胞内で利用可能な銅レベルの鋭敏な評価指標になることが明らかになった。2.脳の老化に伴う機能低下と脳内亜鉛濃度との関連を検討する目的で,老化促進マウス(SAMP10)を用いて検討した。その結果,加齢に伴いSAMP10の大脳皮質の亜鉛濃度は顕著に低下することが明らかになったが,カテコールアミン合成との直接的な影響は認められず,機能との関連について今後のさらなる検討が必要である。
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