研究課題/領域番号 |
21390189
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
菅沼 成文 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (50313747)
|
研究分担者 |
田村 太朗 福井大学, 医学部, 助教 (90509291)
伊藤 春海 福井大学, 特任教授 (40026943)
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
久永 直見 愛知教育大学, 保健環境センター, 教授 (90111856)
審良 正則 近畿中央胸部疾患センター, 放射線科, 部長 (20393267)
|
キーワード | アスベスト関連疾患 / 職域コホート / 罹患率 / スクリーニング / 胸部エックス線 / バイオマーカー |
研究概要 |
本年4月から福岡の建設労働者8000名からなる職域コホートを立ち上げ、アスベスト関連疾患の罹患および死亡に関する追跡を開始した。この集団においては過去15年間に15名の中皮腫の罹患が確認されており、精度の高い追跡調査により、間接曝露が主と考えられる建設労働者におけるアスベスト関連疾患の罹患率及び死亡率が明らかになる。また、本研究の主題であるアスベスト関連疾患のスクリーニングについて、胸部直接エックス線検査、バイオマーカーの測定による悪性疾患探索について検討を行っている。健診受診者は春・秋の健診を併せて3600名を数え、同意を得られた者について米国NIOSH Bリーダーによる胸部エックス線読影と中皮腫バイオマーカーの測定を行い、放射線医学的有所見者とバイオマーカーでの異常値を示した例に関する検討を行っている。読影結果は集計中であるが、一地域の結果として317名中1/0以上の不整形影を呈したものが7名(2.2%)、胸膜肥厚を呈したものが74名(23.3%)であった。胸膜肥厚は壁外脂肪層についての除外にはCTが必要であるが、今回その情報はない。アスベスト関連疾患の読影は我が国の標準写真に基づいて、ILO分類の読影票を用いて胸膜所見は詳細に記載しているため、in profileやface onなどの所見や部位についての検討も可能である。また、今回の健診受診者には既に石綿手帳を貰っている労働者にも参加を呼び掛けているため、頻度が高くなっている可能性がある。今後のフォローのためのベースラインデータが取れたことになる。
|