研究課題/領域番号 |
21390189
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
菅沼 成文 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (50313747)
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研究分担者 |
田村 太朗 福井大学, 医学部, 助教 (90509291)
伊藤 春海 福井大学, 特任教授 (40026943)
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
久永 直見 愛知教育大学, 保健環境センター, 教授 (90111856)
審良 正則 近畿中央胸部疾患センター, 放射線科, 部長 (20393267)
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キーワード | 石綿関連疾患 / 中皮腫 / 肺がん / プロテオミクス / デジタル胸部エックス線 / じん肺分類 / コホート / バイオマーカー |
研究概要 |
福岡における約8000名の石綿曝露者コホートについて、2年目の追跡を実施した。本研究の主題であるアスベスト関連疾患のスクリーニングについて、胸部直接エックス線検査、バイオマーカーの測定による悪性疾患探索について検討を行った。健診受診者は春・秋の健診を併せて3600名を数え、同意を得られた者について米国NIOSH Bリーダーによる胸部エックス線読影と中皮腫バイオマーカーの測定を行い、放射線医学的有所見者とバイオマーカーでの異常値を示した例に関する検討を行っており、現在最終の検討段階にある。 この経過の中で、本研究班のメンバーの多くが関わって、厚生労働省のデジタルエックス線によるじん肺エックス線分類について、現行の標準写真を補完するデジタル標準写真の公表に漕ぎ着けたため、本研究においても、増補されたデジタルエックス線分類を用いて、胸部画像の解析を行った。また、さきがけて、デジタル標準を用いてじん肺スクリーニングについての実務を研究として実施した経験を元に、デジタル標準を用いたじん肺検診に関する注意点を、複数の産業医講習会において、実際例を基にした講習を行った。今後、デジタル標準写真を用いたじん肺検診が主流を占めるようになるであろう。 また、研究代表が改定作業に関わっているILOじん肺エックス線分類についてもアナログ写真をデジタイズした情報がデジタル標準の暫定版として出版された。これに関して、ILO担当官によると米国NIOSHとの共同研究として、ILO分類のデジタルエックス線装置で撮影した画像を収集し、そこから標準写真を作成するプロジェクトが進められており、我々の新たなスクリーニング方法としての、デジタル標準については、わが国のデジタル版標準写真が先行例として注目されており、現在までに収集されている症例集は国際じん肺エックス線標準画像として用いられる可能性が高い。
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