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悪性中皮腫発症におけるHDAC阻害剤による抗腫瘍効果を解明
悪性中皮腫に対し、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤の投与が有効であろうことが、現在、臨床試験において期待されている。そこで、HDAC阻害剤による悪性中皮腫に対する抗腫瘍効果の分子機構を明らかにすることで、悪性中皮腫の発症における分子機構やその予防法・治療法の解明が期待される。
当該年度の研究成果により悪性中皮腫におけるHDAC阻害剤の抗腫瘍効果の発現には、HDAC阻害剤によるreactive oxygen species(ROS)の産生が関与していることが示唆された。そこで、HDAC阻害剤によるROSの産生を規定する因子が、悪性中皮腫細胞におけるHDAC阻害剤による抗腫瘍効果の感受性規定因子であると考え、細胞内の酸化還元機構における代表的な分子であるグルタチオン量の測定や、酸化還元酵素の遺伝子発現を検討した。また、大腸癌細胞における感受性細胞と耐性細胞での比較も実施した。
また、nude mouseでのxenograftモデルにおけるin vivoでの悪性中皮腫細胞に対するHDAC阻害剤による抗腫瘍効果を確認した。
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