研究概要 |
本研究は,感覚器をターゲットしたcommunity-basedな疫学研究であり,3年間の計画期間によるコホート・デザインによって,1)地域在住高齢者の感覚器障害の罹患率の把握,2)視力障害・視覚機能低下に関与する環境危険因子の同定,3)視力障害・視覚機能低下が死亡及び介護状態に与えるインパクトの定量化,を目標としている. 本年度は昨年度と同様に、地域に設定した65歳以上の高齢者から構成されるコホート集団に対して,以下の調査を実施した.本年度は地域を二分した半数の地区住民を対象としている. (1)視覚機能評価:視力検査(近見視力,遠見視力),眼底検査 (2)精神機能評価:認知機能(Clock-drawing test,長谷川式認知機能評価),抑うつ度(Geriatric Depression scale) (3)生活機能・社会機能評価:Activity of Daily Living(老研式活動能力指標点数,Katzの基本的ADL),QOL,活動能力(Up & Go test,5m歩行,歩行姿勢解析等) (4)危険因子の評価:糖尿病指標測定(血糖値,HbA1c値等),栄養状態(血清アルブミン測定,栄養調査等),ライフスタイル要因評価(喫煙,飲酒等),循環器疾患リスク要因測定(血圧,血清脂質等),疾病罹患・服薬状況 (5)多面的機能簡易評価質問票 また本研究のエンドポイント(死亡,転居,介護認定,入院,入所等)となる情報の入手も行った.研究結果をコホート参加者、地域に還元すべく、報告会を実施した。
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