研究課題/領域番号 |
21390217
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
北村 修 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70266609)
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研究分担者 |
王 〓 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60555051)
武市 敏明 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90460360)
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キーワード | 覚醒剤 / 薬物自己投与 / 酸化ストレス / 神経細胞 / グリア細胞 / 小胞体ストレス |
研究概要 |
本研究は、薬物自己投与による薬物依存動物モデルの中枢神経系障害において発生するタンパク質の障害または遺伝子発現を解析することにより、覚醒剤(methamphetamine : METH)濫用の法医病理学的診断を向上させることを目的とする。酸化ストレスに基づく神経細胞障害、グリア細胞の反応及びサイトカインに関与したメカニズムに着目して解析する。 METH 1mg/kgを5日間投与したラットの中脳について、小胞体ストレスのマーカーであるGllucose-Regulated Protein78(GRP78)及びGRP94の発現を抗KDEL抗体を用いたウェスタンブロッティング法により検索したところ、GRP78の上昇を認めた。 さらに、0.5-10mg/kgのMETHを5日間投与したラットの中脳について、上記の小胞体ストレスのマーカー及び小胞体ストレス関連遺伝子ATF4、酸化ストレスマーカーのSuperoxide dismutase-1(SOD1)の発現を検索したところ、1mg/kg投与群おけるGRP78の蛋白質及びmRNA上昇、0.5及び1mg/kg投与群おけるATF4mRNA上昇を認めた。SOD1の蛋白質及びmRNA上昇は、5及び10mg/kgにおいて認めた。少量のMETH投与において、小胞体ストレスのマーカーが上昇することは、覚醒剤による酸化ストレスに基づく神経細胞障害及びグリア細胞の反応に関与すると考えられ、法医病理学的診断への応用が期待される。
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