研究課題
C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)に対する応答、不応答に関わる因子の探索はINF療法の治療成績の改善、その後の肝癌の発生阻止の観点から極めて重要と言える。現在、従来のlFN+Rib(リバビリン)併用療法に加え、NS3プロテアーゼインイビターの併用が開始されている。IFNに対する治療反応性は依然として治療効果を決定する重要な因子であると考えられる。IFN不応答の要因には、ウイルス側因子と宿主側因子が関与していると考えられるが、本研究は宿主因子を同定することを目的とした。本年度はPegIFN+Rib併用療法を受けたC型慢性肝炎症例の治療前の末梢血液のISGの発現変化と治療効果及びIL28B遺伝子多型との関連性に付き検討した。さらに、15例の治療前の肝組織を用いてレーザーキャプチャー・マイクロダイセクション(LCM)にて肝小葉部と門脈域細胞浸潤を別々に採取し、遺伝子発現を解析した。lL28Bメジャーでは肝小葉部のISG発現パターンと門脈域細胞浸潤のISG発現パターンが一致していたが、IL28Bマイナーでは肝小葉部のISG発現が高値にかかわらず門脈域細胞浸潤のISG発現が低い傾向が認められた。免疫染色ではIL28Bマイナーでは、肝細胞ではISGの高発現が見られるものの、マクロファージやT細胞の免疫担当細胞の浸潤が抑制されていた。以上より、IL28BマイナーではIFN療法の反応不良の要因として、治療前のISG高値に加え、免疫担当細の浸潤不良が要因の一つとして挙げられた。
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