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2011 年度 実績報告書

膵がん細胞を標的とした新しい抗がん療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21390231
研究機関札幌医科大学

研究代表者

加藤 淳二  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)

研究分担者 瀧本 理修  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10336399)
小船 雅義  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (90336389)
キーワード癌 / 糖鎖 / 内科
研究概要

膵癌は,現在本邦における癌死亡原因の第5位であり,年間約2,2000人を超える死亡数が推計されており,年々増加の一途を辿っている.膵癌は浸潤性が高く,早期に転移しやすいことから極めて予後不良な癌の一つである.更に,診断時に手術不能のIVb期に既に進行している例が約60%であり,例え病期IVb以下で手術が行われても90%の症例は再発し5年生存率は10%と報告されている.現状では,このような進行膵癌に対する有効ながん薬物療法はなく,最も有効性の高いとされているGemcitabinによる抗がん治療を行っても平均余命は約5.7ヶ月と極めて不良である.また,最近注目されている分子標的療法も,欧米を中心に臨床試験が試みられているが特異性に問題があり,満足すべき成果は得られていない.このようなことから,膵癌細胞を標的とした新たな細胞標的療法を考案した.
本研究では,膵癌細胞のX分子の要求度が高いことに着目し,そのreceptor-mediated endocytosisを利用した抗がん剤送達法を用いることによって,膵癌細胞を標的とした新規の抗がん療法を開発することを目的とするものである.すなわち,抗がん剤を内包化させたliposomeにX分子を結合させ,膵がん細胞特異的なDDS法を開発し,膵癌治療の効果増強ならびに副作用軽減を目指す.当該年度においては,これまでの基礎的検討を踏まえ,至適化したX分子結合リポゾームに抗がん剤を搭載し,in vitroおよびin vivoでの抗腫瘍効果を検討した.その結果,X分子の要求度の高い各種膵癌細胞株に対する特異的な送達,ならびに高い抗腫瘍効果を認めた.また,in vivoにおいても担がんマウスにおいて,膵がん細胞特異的な送達と抗腫瘍効果を認めた.以上より,本研究により膵癌に対する新たな細胞標的療法の可能性が示された.現在,実用化に向けた準備を進めている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Establishment of a simple test for iron absorption from the gastrointestinal tract2011

    • 著者名/発表者名
      Kobune M, Takimoto R, Kato, J
    • 雑誌名

      Int J Hematol

      巻: 93 ページ: 715-719

    • DOI

      10.1007/s12185-011-0878-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel missense mutation in the TMPRSS6 gene in a Japanese female with iron-refractory iron deficiency anemia2011

    • 著者名/発表者名
      Sato T, Takimoto R, Kato J
    • 雑誌名

      Int J Hematol

      巻: 94 ページ: 101-103

    • DOI

      10.1007/s12185-011-0881-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A phase I trial of arterial infusion chemotherapy with gemcitabine and 5-fluorouracil for unresectable biliary tract cancer2011

    • 著者名/発表者名
      Hayashi T, Takimoto R, Kato J
    • 雑誌名

      Int J Clin Oncol

    • DOI

      10.1007/s10147-011-0320-5

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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