研究課題
腸炎惹起性メモリーT細胞の加齢現象と緩解の関連性(1)CD4+CD45RBhigh T細胞移入慢性大腸炎マウスより分離した腸炎粘膜内CD4+T細胞を新規SCIDマウスに移入し再び発症した腸炎粘膜内CD4+T細胞の再移入を繰り返すin vivo系において、6世代以降(総計2年以上)になると、腸炎の減弱、発症期の延長、発症率の減少を認めることを明らかとした。(2)重要な事実として未発症マウスから分離したCD4+T細胞を新たに分離したCD4+CD45RBhigh T細胞と新規SCIDマウスへ共移入すると腸炎の発症を抑制することを明らかとした。さらに、未発症マウスCD4+T細胞には抑制性共刺激分子PD-1を強く発現していることを見出した。(3)腸炎惹起性メモリーT細胞は生体において免疫学的加齢過程で抑制性メモリーT細胞ヘコンバージョンすることを明らかとした。加齢にともなう抑制性CD4+T細胞はProgrammed celldeth-1(PD-1)分子の発現が亢進していることを明らかとした。(4)加齢抑制性メモリーT細胞はFoxp3陰性でIL-10を産生するTr1細胞に類似することを明らかとした。以上、平成22年度の研究において、腸炎惹起性メモリーT細胞は免疫学的加齢過程を経て、IL-10産生性の抑制性T細胞へと変貌を遂げることを実験的に証明し、ヒトIBDにおいて、発症後の早期の手術症例を防止することで、加齢に伴い、寛解へと誘導できる可能性を示唆した。
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