白血病が骨髄移植の恩恵で根治する時代になったが、IBDは良性疾患にも関わらず根治が困難である。我々はIBD関連腸炎惹起性メモリーT細胞が全身に長期に潜在することを突き止めた。その維持にはIL-7と腸内細菌が必須であることを明らかとしてきた。そのメモリーT細胞にはTh17細胞とTh1細胞が重要であるが、腸炎生体内で両者は干渉する現象を見つけた。さらに、Th17細胞とTh1細胞の発生にTh17→Th1細胞の経路があることを見出し、我々はalternativeTh1細胞と命名し、このalternative Th1細胞がclassical Th1細胞よりも腸炎には重要ではないかと提唱していた。さらに、制御性T細胞はこのTh17→Th1細胞の経路を阻害することで非腸炎状態でTh17細胞の蓄積という現象を見つけた。
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