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2011 年度 実績報告書

オートファジーを焦点とした消化器難治性疾患の病態解明および治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 21390234
研究機関順天堂大学

研究代表者

渡辺 純夫  順天堂大学, 医学部, 教授 (20138225)

研究分担者 池嶋 健一  順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (20317382)
山科 俊平  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
今 一義  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30398672)
キーワードオートファジー / 脂肪性肝炎 / 酸化ストレス / エイコサペンタエン酸 / インスリン抵抗性
研究概要

平成23年度は、オートファジー機能障害によって生じる肝細胞障害や酸化ストレス増加がエイコサペンタエン酸(EPA)投与によって改善するのかを検討した。肝特異的オートファジー欠損マウスを通常食にて飼育すると4週後に肝障害が生じたが、EPA含有食で4週間飼育すると肝障害が有意に改善した。また肝細胞内封入体形成も減少していた。一方、オートファジー欠損によって肝組織中GSH/GSSG比低下や8-OHdG増加が認められ、酸化ストレス増加が生じていると考えられたが、EPA食投与によって、これらの酸化ストレスマーカーが有意に減少した。以上のことからオートファジー欠損によって肝細胞内酸化ストレスの増加を介した肝細胞死が生じるがEPA投与によって酸化ストレス増加が抑制され変性蛋白蓄積や細胞死が抑制されたと推測された。
一方、脂肪性肝炎モデルOb/ObマウスにPPARγ agonistを投与したところ、インスリン抵抗性は改善したが、脂肪蓄積によって生じるオートファジー誘導抑制やp62蛋白蓄積はほとんど改善しなかった。PPARγ agonistを投与しても脂肪滴が肝細胞に残留しており、またインスリン抵抗性も完全に正常化できなかったことから通常投与量のPARγ agonistでは脂肪蓄積によって生じる肝オートファジー機能を改善させることは難しいと考えられた。
以上のことから脂肪肝において観察されるオートファジー障害は肝障害や肝発癌に関与していると考えられるがEPA投与による予防的介入の有効性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Persistent activation of Nrf2 through p62 in hepatocellular carcinoma cells2011

    • 著者名/発表者名
      Inami Y, Waguri S, et al
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 193 ページ: 275-84

    • DOI

      10.1083/jcb.201102031

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss of autophagy promotes murine acetaminophen hepatotoxicity2011

    • 著者名/発表者名
      Igusa Y, Yamashina S, et al
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 47 ページ: 433-443

    • DOI

      10.1007/s00535-011-0500-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hepatic steatosis inhibits autophagic proteolysis via impairment of autophagosomal acidification and cathepsin expression2011

    • 著者名/発表者名
      Inami Y, Yamashina S, et al
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 412 ページ: 618-25

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2011.08.012

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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