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2010 年度 実績報告書

ANGPTLシグナル制御による心血管病・メタボリックシンドロームの治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21390245
研究機関熊本大学

研究代表者

尾池 雄一  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (90312321)

キーワード心血管病 / メタボリックシンドローム / アンジオポエチン様因子 / 動脈硬化 / 大動脈瘤
研究概要

我々は、これまでにメタボリックシンドロームの中心病態である内臓脂肪型肥満症や発症やその進展を規定する病態などで脂肪組織におけるANGPTL2の発現が著明に誘導され、その結果、過剰なANGPTL2作用が全身性のインスリン抵抗性や糖尿病の発症の誘因となっていることを明らかにしている。メタボリックシンドロームは、動脈硬化性疾患の発症や進展のリスクを増大させる危険性を有している。冠動脈疾患患者における血中Angptl2レベルは健常者に比べ高く、なかでも多枝病変の患者において高値を示した。さらに、Angptl2が血管の炎症を促進すること、炎症による血管傷害が動脈硬化症の初期病変であることから、肥満の脂肪組織に由来するAngptl2が動脈硬化症の発症や進展に直接的に関与している可能性が考えられる。また、肥満の脂肪組織におけるAngptl2の持続的高発現だけでなく,血管内皮細胞における局所的なAngptl2の持続的高発現が動脈硬化性疾患の発症や進展に直接関与している可能性を見出した。また我々は、マウス大動脈瘤病態モデルやカフ負荷による血管内膜肥厚病態モデルを作製し解析を行ったところ、動脈病変部位にAngptl2の発現が強く誘導されていること、野生型マウスに比べてAngptl2ノックアウトマウスにおける大動脈瘤や内膜肥厚の程度が抑制されることを見出した。これは,血管における局所的なAngptl2発現誘導が大動脈瘤や内膜肥厚の病態形成および進展に寄与していることを示唆しており、Angptl2がこれらの病態の治療標的になる可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Angiopoietin-like proteins : emerging targets for treatment of obesity and related metabolic diseases.2011

    • 著者名/発表者名
      Kadomatsu T, Tabata M., Oike Y.
    • 雑誌名

      FEBS J

      巻: 278 ページ: 559-564

    • 査読あり
  • [学会発表] Roles of ANGPTL2 in chronic inflammation and its-related diseases2010

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会、第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] Roles of Angiopoietin-like protein 2 in cardiovascular diseases2010

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      第18回日本血管生物医学会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2010-12-01
  • [学会発表] "慢性炎症"の観点から生活習慣病の病態生理と治療戦略を考える2010

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      第60回日本体質医学会総会
    • 発表場所
      熊本市
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] アンジオポエチン様因子2 は肥満及び関運代謝疾患の治療標的である2010

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      第31回日本肥満学会
    • 発表場所
      群馬県前橋市
    • 年月日
      2010-10-02

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公開日: 2012-07-19  

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