研究課題/領域番号 |
21390247
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
|
研究分担者 |
三橋 武司 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60275675)
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70306140)
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 講師 (90326851)
江口 和男 自治医科大学, 医学部, 助教 (80364503)
甲谷 友幸 自治医科大学, 医学部, 助教 (00458291)
|
キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 夜間高血圧 / スリープサージ / 血圧測定 |
研究概要 |
当該年度では、1) 無呼吸発作時の夜間血圧上昇を特異的に検出するトリガー血圧計の開発を進め、2) 夜間高血圧の病態と治療に関する研究の患者登録を進めた。 1) パルスオキシメーターにより検知した酸素飽和度(SPO2)の固定閾値までの低下をトリガーとした血圧測定(旧アルゴリズムでの測定)では、重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者においては測定回数が非常に多くなり睡眠を阻害してしまう。最低SPO2を逐次監視し、それを閾値として血圧測定をトリガーする可変閾値法の導入により測定回数を減らしながらも重大な無呼吸発作を確実に捉えるよう改良を加えた(新アルゴリズム)。同一患者に旧アルゴリズムと新アルゴリズムを1晩ずつ適用して(計36例)性能比較をしたところ、新アルゴリズムでは、測定回数が減少したものの、無呼吸発作時の血中低酸素状態による急激な血圧上昇(MNS)はより正確に捉えられ妥当性のあるものであることが確認できた。新アルゴリズムで捉えたMNSの妥当性については、各被験者における最低SPO2と最大MNSを算出し両者の相関を新旧アルゴリズムで比較したところ、新アルゴリズムでは高い相関を示し(p<0.001)、無呼吸発作低酸素時の血圧変動の最大値をより的確に捉えられており、MNSの妥当性が向上したと考え得る。新アルゴリズムの開発によって、トリガー血圧計をより実用的な検査手法とすることができ、睡眠時無呼吸による血圧上昇の挙動をより正確に観察できるようになった。 2) 夜間高血圧の病態と治療に関する研究では、自治医大倫理審査委員会に研究申請をして承認され、7例の患者を登録した。当該年度では、より患者の負担が少なくなるよう血圧計の改良をすることができたため、本年度は患者登録の促進が期待できる。
|