研究課題/領域番号 |
21390247
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
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研究分担者 |
甲谷 友幸 自治医科大学, 医学部, 助教 (00458291)
三橋 武司 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60275675)
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70306140)
江口 和男 自治医科大学, 医学部, 講師 (80364503)
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 講師 (90326851)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | トリガー血圧計 / 家庭血圧計 / 睡眠時無呼吸症候群 / 夜間低酸素 / 夜間高血圧 |
研究概要 |
1.トリガー血圧計の開発、臨床研究の実施 昨年度までに、夜間低酸素をトリガーに睡眠時無呼吸に伴う甚大な血圧サージを計測するアルゴリズムおよびそのシステム(SP-1)を開発した。本年度は、本計測を家庭でも容易に行え、また計測データは3G携帯電話回線を介して自動的にサーバに転送され、インターネット回線を通じて測定結果を容易に把握・分析できる“IT夜間家庭血圧モニタリングシステム(ISP)”を構築した。このISPを用い、多施設研究である“治療抵抗性高血圧・循環器疾患における睡眠血圧と呼吸障害の頻度と予後に関する研究(SPREAD研究)”を開始した。既に5施設でシステムが稼動、70名以上でデータ登録が完了している。 また、従来の夜間トリガ血圧計(SP-1)にて取得したデータのシミュレーション解析により、低心拍数をトリガーに夜間基底血圧を検出するアルゴリズムの検討・構築を行い、本アルゴリズムをISPに搭載し、実データによる性能検証を開始した。 2.夜間高血圧の治療法に関する研究 従来の夜間トリガ血圧計(SP-1)を用い、睡眠時無呼吸症候群を有し夜間高血圧を呈する患者に対するβ遮断薬とカルシウム拮抗薬との効果の比較試験のデータ取得、解析を完了した。就寝前の両薬剤投与により、夜間の血圧平均値のみならず無呼吸に伴う血圧サージが有意に低下することを確認した。とくに、β遮断薬では、有意差はないもののカルシウム拮抗薬に対してサージ抑制効果が大きいことを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
夜間低酸素に伴う血圧上昇を検出するアルゴリズムを搭載したIT夜間家庭血圧モニタリングシステム(ISP)の開発を完了し、本システムを用いた多施設研究(SPREAD研究)を開始させ、計画通りにデータ取得ができている。
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今後の研究の推進方策 |
ISP を用いたSPREAD 研究において、目標症例数である2000名のデータ登録を進め、取得した夜間血圧と心血管疾患発生の追跡情報を基に、心血管リスクとなる新規の夜間血圧指標を創出し、その臨床的意義を検証する。また、降圧治療の臨床試験にISP を取り入れ、新規の夜間血圧リスク指標への効果を検証する。
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