研究課題/領域番号 |
21390255
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 裕史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00322024)
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研究分担者 |
加々美 新一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (30375654)
須藤 明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50447306)
渡辺 紀彦 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20375653)
廣瀬 晃一 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90400887)
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キーワード | 気管支喘息 / Th17細胞 / Tfh細胞 / STAT6 / T-bet / IL-21 / c-Maf |
研究概要 |
気管支喘息は人口の約4%が罹患する重要なアレルギー性呼吸器疾患である。その多くは吸入ステロイドを中心とした既存の治療でコントロール可能であるが、5-10%が治療抵抗性の重症喘息であり、その病態の解明及び治療戦略の確立が急がれている。本研究では、重症喘息の病態に焦点を当て、喘息の重症化を規定する因子の同定とそれに基づく新規治療法開発の基盤構築を目的とした。特に近年、自然免疫と獲得免疫の両者で重要な役割を果たすことが明らかとなりつつあるTh17細胞に着目し、平成21年度の研究では、IL-17産生CD4陽性T細胞(Th17細胞)の分化機構と転写因子による制御機構を解析し、Th17細胞の分化は、T-bet欠損マウス及びSTAT6欠損マウスで中程度亢進し、STAT6/T-betダブル欠損マウスでは高度に亢進すること、STAT6/T-betダブル欠損マウスでは乾癬様の皮膚炎を自然発症することを見出した(論文投稿中)。さらにTh17細胞及び濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)の自己増殖因子であるIL-21の産生制御機構を解析し、c-MafがIL-21プロモーター及びエンハンサーに存在するMAREに直接結合し、IL-21の産生を誘導すること、TGF-βはc-MafによるIL-21産生を抑制することを明らかにした(J.Leukoc.Biol,2010)。現在、Th17細胞及びTfh細胞のアレルギー性気道炎症における役割の解析を進めている。本研究により、喘息の新たな治療法が開発されることが期待される。
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