研究課題/領域番号 |
21390260
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90311620)
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研究分担者 |
和田 健彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90447409)
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50232509)
田中 哲洋 東京大学, 保健健康推進本部, 助教 (90508079)
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キーワード | 虚血 / 慢性腎臓病 / 腎不全 / 低酸素 |
研究概要 |
本研究の目的は低酸素応答という重要な個別生命現象に焦点を絞って転写制御ネットワークの網羅的解析を行い、得られた知見を腎臓病学の病態生理に応用するものである。 前年度から引き続いて行っている培養細胞を用いたChIPシークエンスによるHIFの転写制御ネットワークの研究について、条件設定の最適化を行い、当初HIF-1結合遺伝子として同定されたものが122遺伝子だったものを、567遺伝子に増やすことができた。同時に、低酸素状態においてEIF-1が正常に発現している細胞とHIF-1をノックダウンした細胞におけるmicroarrayを施行し、293遺伝子がHIF-1依存性に発現が変化することを見出した。これらに共通するものとして47遺伝子を同定し、これをHIF-1による直接の低酸素制御が確実な遺伝子とした。47遺伝子の中には、従来からHIF-1による調節が知られていたものに加え、従来HIFによる調節が知られていなかった新規遺伝子があり、それらについてはその機能の検証を進めている。例えば、GeneAについては、GeoProfileにて腎細胞癌における発現の亢進が再現性をもって報告されており、tissue arrayを施行することで腎細胞癌における蛋白レベルでの発現亢進を確認することが出来た。 HIF-2については未だChIPシークエンスに使用可能な質の高い抗体が得られず、新しいHIF-2の特異抗体の作成を昆虫細胞の系を用いて継続して行っている。
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