研究課題/領域番号 |
21390263
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190410)
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研究分担者 |
湯澤 由紀夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00191479)
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
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キーワード | 急性腎障害(AKI) / メタボローム解析 / ミッドカイン / 虚血腎障害 / キャピラリー電気泳動装置+質量分析器 / 尿中バイオマーカー |
研究概要 |
本研究の目的は、急性腎障害(AKI)の鋭敏なバイオマーカーであるミッドカインについて、尿細管上皮細胞での全代謝物動態(メタボローム)の観点から機能解析を推進して未解決の基本的な課題を検討して、さらに尿中メタボロームを標的とした新規AKIバイオマーカーの網羅的探索を行って、AKI診断検査薬の開発に向けた研究基盤を確立することである。これを達成するために、当該年度に行った実験は、尿細管上皮細胞(HK-2細胞)に蛋白刺激を加えたり、低酸素条件下で培養することによりミッドカインの発現状況を確認した。低酸素条件下ではミッドカインの発現上昇が認められたが、蛋白刺激では反応しなかった。蛋白刺激、低酸素条件下での培養で得られた上清と細胞溶解物をメタボロームファイリング中である。この結果に基づき、虚血または遺伝子導入による発現誘導、リコンビナントミッドカインの添加、siRNAノックダウン株を用いて、ミッドカインの機能解析を行う予定である。キャピラリー電気泳動装置+質量分析機(CE+MS)による尿中メタボローム測定法が確立した。それを受けて、AKI鑑別診断用や尿中代謝物バイオマーカー候補のスクリーニングをするために、対象腎疾患(各種AKI、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症、等)の尿サンプルを収集している。現在、500症例ほどのサンプルが収集できたので、近日中にメタボロームプロファイルを解明して、バイオマーカー候補代謝物について検討する予定である。
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