研究課題
本研究は、複数のショウジョウバエモデル、マウスモデルを複合的に組み合わせて、ポリグルタミン病の治療薬スクリーニング系を立ち上げるとともに、それを用いて治療薬候補を得ることにある。平成21年度にはショウジョウバエにおいて、全ニューロン、運動ニューロン、グリア細胞、コリン作動性ニューロン、ドパミン作動性ニューロンの発現ドライバーを持つショウジョウバエとUASシスエレメント下流にハンチントン病異常タンパク、脊髄小脳失調症1型異常タンパクを持つショウジョウバエを交配させることで、合計15種類のショウジョウバエモデルを作成し、その表現型を様々な指標から解析した。3種類のハエモデルでは成虫にならないことが明らかに成った。その他のモデルにおいては多くの組合せで、寿命短縮を含む多様なフェノタイプが観察できた。このうち、グリア系のポリグルタミン病タンパク発現が顕著なニューロン障害を引き起こすことを国際誌、国内外学会で公表した。一方、マウスモデルにおいてはDNA損傷修復タンパクであるKu70タンパクを過剰発現させることで、ハンチントン病モデルマウスR6/2の寿命が顕著に延長することを示した。R6/2マウスの線条体ニューロンに生じるDNA損傷をH2AXのリン酸化を指標にウェスタンブロット、免疫組織化学などで観察すると、Ku70過剰発現によってDNA損傷が軽減していることも明らかになった。これらの、モデル作成と治療薬シーズの発見は、今後の本研究の遂行に役立つものと考えられる。
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