研究課題/領域番号 |
21390266
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 欽司 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80397455)
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研究分担者 |
増田 章男 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10343203)
伊藤 美佳子 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (60444402)
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キーワード | アセチルコリン受容体 / スプライシングトランス因子 / hnRNP L / hnRNP LL |
研究概要 |
研究代表者は先天性筋無力症候群においてアセチルコリン受容体αサブユニット遺伝子CHRNA1においてsplicing変異を同定してきた。変異はexon P3Aの23番目の塩基をGからAに変異をさせる。本研究ではこの23G>Aの部位に結合をするsplicing trans-factorの同定を行なった。UV crosslinking後のSDS-PAGE、及び、RNA affinity purificationにて結合タンパクの分子量を推定し、hnRNP Lを候補分子としてWestern blottingにより確認をした。同時に23G>A変異はhnRNP LLの結合能を獲得することを同定した。人工的に塩基配列を置換することにより23G>A変異はhnRNP Lとの結合能を保持するにも関わらず新たにhnRNP LL結合能を獲得するためにhnRNP LとhnRNP LLの競合によりhnRNP Lが結合できなくなることを実証した。さらにhnRNP LとhnRNP LLのノックダウンならびに抗体によるこれら因子の吸着実験によりhnRNP Lはexon P3Aのスキッピングを誘導し、hnRNP LLはexon P3Aの認識を誘導することを実証した。さらにMS2-coat proteinとhnRNP L/hnRNP LLのフュージョン遺伝子を作成することによりこれらの因子は23G>Aの部位に特異的に作用することを明らかにした。さらにhnRNP LとhnRNP LLの各種ドメイン欠失変異を導入することにhnRNP Lにのみ存在するproline-rich regionがhnRNP Lによるexon P3Aスキッピングに関与することを証明した。
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