研究課題
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は、肝臓から産生される遺伝的に変異を起こしたトランスサイレチン(TTR)により起こる予後不良の疾患である。このため治療法として肝移植が確立されているが、これにはいくつかの問題点がある。そこで患者からFAP患者から得られた皮膚線維芽細胞をin vitroでiPS細胞化し、single stranded oligonucleotides(SSOs)を用い、異型TTR遺伝子を正常化した後、これを肝細胞に分化させ、肝臓などのTTR産生臓器から異型TTRの産生を抑制させることを最終目的として研究を行った(FAP患者の線維芽細胞をまず遺伝子組み換えを誘起した後、iPS細胞化しこれを遺伝子変換する方法の可能性も検討する)。本年度は、FAP患者ATTR V30M遺伝子を導入したトランスジェニックマウスATTR V30Mを用い、肝細胞を採取し、iPS細胞化を試みたところ、これに成功し、TTRの分泌も確認された。さらに、FAP患者ATTR V30Mの皮膚線維芽細胞および肝移植時に採取された細胞をセンダイウイルスなどを用い、iPS細胞化を試みたところ、これに成功した。これらの細胞はヘテロな遺伝子を持つ細胞であるため、次年度はこれを用いて、産生されたTTRのアミロイド形成能を検討すると共に(これまで大腸菌などを用いて得られた細胞はホモの異型TTRを産生する細胞であるため本細胞は、実際の患者で起こるアミロイド形成機構を解析するツールとして価値がある)、アテロコラーゲンに包埋したSSOsでTTR遺伝子の正常化を図り、組み替ったiPS細胞をセルソーターで分別し、これを肝細胞に分化させる予定である。
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