研究課題/領域番号 |
21390282
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40359609)
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研究分担者 |
木村 真理 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (40363840)
伊藤 譲 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00512980)
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キーワード | グルコキナーゼ / インスリン抵抗性 / 膵β細胞 / グルコキナーゼ活性化薬 / IRS-2 |
研究概要 |
1.高脂肪食誘導性・妊娠誘導性の膵β細胞過形成の分子機構の解明 グルコキナーゼ(GcK)ヘテロ欠損マウス、IRS-2欠損マウスの妊娠中・出産後の膵β細胞量変化を評価し、膵β細胞過形成には糖代謝依存性の経路と非依存性の経路が存在することを明らかにした。非妊娠時、妊娠17日の野生型マウス・Gckヘテロ欠損マウスより膵島を単離、RNA調製、DNAチップで遺伝子発現変化を解析した。妊娠時の膵β細胞においてGckおよびIRS-2シグナル非依存的に発現上昇している新規ペプチドを同定。妊娠周期における免疫組織染色でこのペプチドは妊娠10-12日をピークとした発現上昇を認めた。MIN6細胞にて、プロラクチン、エストラジオール、デキサメサゾンによりmRNA発現上昇を認め、INS-1細胞にて、このペプチド過剰発現により細胞増殖能が亢進した。 2.膵切除マウスの膵β細胞増殖におけるグルコキナーゼの役割の検討 膵部分切除後の代償性β細胞増殖におけるGckの役割を検討した。雄8週令の野生型マウス、Gckヘテロ欠損マウスに60%膵部分切除あるいはSham opeを行い、糖代謝、β細胞増殖について検討した。野生型マウスの糖代謝はSham ope群、膵切除群間で有意差を認めなかった。Gckヘテロ欠損マウスでは膵切除群でSham ope群に比べ随時血糖の上昇がみられた。膵切除6日後のβ細胞増殖能は野生型群、Gckヘテロ欠損群でほぼ同等に増加傾向を示し、18日後のβ細胞量でもGckヘテロ欠損群での低下は認めなかった。以上の成績より、膵切除後の代償性β細胞増殖はGckに依存しないことを明らかにした。
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