研究課題
生体機能調節におけるグルココルチコイドGC-グルココルチコイドレセプターGR系の新たな役割を、1)GR標的遺伝子の網羅的同定、2)GRの共役因子の網羅的同定、3)共役因子の発現制御機構と機能解析、4)GR標的遺伝子の組織特異的発現制御機構とその機能の解明、から発見し、病態における意義を究明して速やかに疾患治療法開発に展開することをめざした。当該年度では、とくに、骨格筋におけるGR標的遺伝子とその役割、そして骨格筋機能制御におけるGRの意義を明確にできた。具体的には下記の点を明らかにした。1.骨格筋におけるGR標的遺伝子REDD1、KLF15のプロモーター解析、クロマチン免疫沈降などによって、それらの遺伝子はGRによって直接転写レベルで誘導されることを明らかにした2.コトランスフェクション法などによってKLF15はFoxOと協調してatrogin-1、MuRF1遺伝子発現を誘導することを示した3.KLF15はBCAT2の遺伝子発現を転写レベルで誘導したとともに、KLF15発現アデノウイルスシステムを用いてKLF15が骨格筋における分岐鎖アミノ酸BCAAの異化を促進してmTORC1活性を抑制することを示した4.KLF15発現アデノウイルスシステムを骨格筋に直接注入し、KLF15は単独で筋萎縮を惹起することを明らかにした5.mTORC1はGRに拮抗し、その下流の遺伝子発現を抑制することを示した。そして、ラットにおいて、BCAAによるmTORC1活性化がグルココルチコイドによる筋萎縮を抑制することを確認した。
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http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/post_27.php