研究課題
造血前駆細胞が白血病幹細胞にリプログラムされる過程にBmi1が必須であること(Leukemia2011)を報告するとともに、Ink4a/Arf欠損マウスにおいて同時にBmi1を欠損させると致死性の骨髄線維症を誘発することから、Bmi1が癌抑制遺伝子としても機能しうることを見出した(J Exp Med,2012)。一方で、Ezh2コンディショナルノックアウトマウスの解析を行い、Ezh2は胎仔肝造血に必須なものの、骨髄の造血幹細胞や骨髄球系細胞においてはその機能がファミリー分子であるEzh1で代償されることを明らかにした(Blood2011)。しかしながら、Ezh2はMLL-AF9で誘発されるマウス急性骨髄球性白血病(AML)細胞の分化ブロック・未分化性の維持に必須であることが判明し、AMLにおけるEzh2の癌遺伝子としての機能が示唆されている。(論文投稿中)。申請者らはさらに、Tet2を低発現(野生型の20%)し、同時にEzh2を片アレル欠損するマウス(Tet2^<hypo/hypo>Ezh2^<Δ/+>)の造血を調べたとこと、Tet2低発現による骨髄異形成症候群(MDS)/骨髄増殖性腫瘍(MPN)様病態がEzh2の欠損によって著明に増強されることを見いだした。この所見は、MDS、MPN、MDS/MPNで同定されるEZH2の機能喪失型変異(3~13%)あるいは-7/7q-症例におけるEZH2の片アレル欠損(10%)が、TET2遺伝子変異(5-46%)と協調して病態形成に機能することを示唆するものである。
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