研究課題
基盤研究(B)
ABL阻害剤イマチニブ(IM、グリベックR)は、慢性骨髄性白血病(CML)患者の予後を劇的に改善したが、IMの効果をさらに高めたダサチニブ(Dasatinib、スプリセルR)やニロチニブ(Nilotinib,タシグナR)、さらにわれわれが開発したINNO-406(Befetinib)などの第2世代ABL阻害剤はいずれもABLキナーゼドメインの315番目のスレオニンがイソロイシンに変異しているT315Iの遺伝子異常を持つ症例には無効である。また、CML幹細胞は低酸素状況に適応して骨髄のニッチに潜み再発の原因となっていることが明らかにされた。これらの問題を解決できればCML治療成績のさらなる向上が期待される。われわれはこのT315I変異症例にも有効なオーロラキナーゼ阻害剤AT9283(1-cyclopropyl-3[5-morpholin-4yl methyl-1H-benzomidazol-2-yl]-urea)が、T315I変異を有するCML細胞の増殖を抑制すること、さらに低酸素環境におけるCML細胞の特異的代謝経路を阻害するグリオキシラーゼ阻害剤(glyoxalase-I inhibitor)がCML幹細胞の増殖を抑制する可能性があることを示した。また、放線菌Micromonosporaから分離したラキシジンA(Rakicidin A)が低酸素環境下特異的に抗白血病活性を示すことを明らかにした。これらの分子によりあたらしい観点に基づいた白血病「幹」細胞を標的としたCML治療法の開発が期待される。
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