研究課題/領域番号 |
21390296
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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研究分担者 |
卜部 匡司 自治医科大学, 医学部, 講師 (40213516)
内堀 亮介 自治医科大学, 医学部, 研究員 (20458285)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 癌 / 遺伝子治療 / 移植再生医療 / ゲノム |
研究概要 |
間葉系幹細胞(MSC:mesenchymal stem cell)を利用した遺伝子治療法の開発研究を行った。 1) MSCの腫瘍集積性に着目し、癌遺伝子治療のプラットホームとしてMSCを利用する治療戦略の開発を進めた。抗腫瘍性サイトカインとしては可溶型TRAIL[TNF(tumor necrosis factor)-related apoptosis-inducing ligand]を検討することとし、MSCへの遺伝子導入実験には、ファイバー変異型アデノウイルスベクターを用いた。前年度に引き続き、可溶型TRAIL発現MSCが大腸癌細胞株などの増殖を抑制することをin vitroで確認するために、ルシフェラーゼを安定に発現する大腸癌細胞を作製し、その発光強度から癌細胞の生存率を求めることが可能な測定系を構築した。この測定系は本研究での使用だけでなく、今後様々な共培養実験において標的細胞の増殖度合いを調べることが可能になるシステムである。 2) MSCを用いた再生医療/細胞治療の有効性を高めるには遺伝子操作を絡める必要があり、その安全性を確保するための染色体部位特異的遺伝子組込み法の基盤研究を行った。即ち、野生型アデノ随伴ウイルス(AAV)が第19番染色体の飴VS1領域に組み込まれる性質を利用し、ITRとRepというAAVの二つのコンポーネントを用いたAAVS1特異的遺伝子組込み法の開発研究を進めた。導入遺伝子のメチル化等によるサイレンシングを防ぐためトリβグロビン遺伝子もしくはc-mycのインスレーター配列を搭載したGFP/ブラスト耐性遺伝子発現プラスミドもしくはインスレーター非搭載プラスミドをHEK293細胞にトランスフェクションし薬剤耐性コロニー数を比較したところ、両者では有意の差が認められなかった。ヒトMSC由来の細胞株UEET1株にトランスフェクションし同様の比較が必要と考えられた。
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