研究課題
本研究チームは、これまで独自の造血分化経路モデルを提唱し、検証してきた。本研究では、1)ミエロイド-B前駆細胞の存在を検証する、2)T細胞、B細胞、エリスロイド細胞へ向う分化途上で派生するミエロイド細胞がどのように分布するか、何らかの機能的違いがあるかをフェイトマッピングの手法を用いて解析する、という2点を目標とする。これらの研究により、造血の分化経路図を完成させることを目指す。まず1)であるが、21年度はまずマウス胎仔肝臓中のプレプロB前駆細胞(c-kit+IL-7R+B220-CD19-)、プロB細胞(c-kit+IL-7R+B220+CD19+)を精製分離し、その分化能を詳細に調べた。これらの細胞をNotchリガンドを強制発現させたストローマ細胞(Tst-4/DLL1細胞)とシングルセルレベルで共培養した結果、プロB細胞はB細胞にしかならなかったのに対し、プレプロB細胞はB細胞を生成しなかった。代わりに、T細胞ではなくマクロファージを生成した。これは、B細胞分化経路上においてミエロイド系分化能より早くT細胞分化能が停止されること、すなわちミエロイド-B前駆細胞が存在することを示している。2)については、ミエロイド、T、B各系列のごく初期の段階、すなわち、M-T-B、M-T、M-B各前駆細胞段階から特異的に発現するCreマウスを作製にとりかかった。すなわち、Flt3-Cre,PIR-Cre,IL-7R-Creのトランスジーンのコンストラクトを作製した。
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