研究課題
IL-6阻害治療とDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析、ならびにバイオインフォーマティクスを用いて、関節リウマチ(RA)と若年性特発性関節炎(JIA)の病態解析を行った。その解析から特定された分子についてin vitroにおける機能解析を行った。また全身性エリテマトーデス(SLE)のサイトカインネットワーク異常と細胞機能異常について検討した。1)サイトカインネットワーク異常の検討:gene ontologyに基づく細胞機能異常を検討した。さらに、各機能カテゴリーに属する異常発現分子のネットワーク解析を行った。(1)JIAではIL-6阻害治療によりミトコンドリアDNAでコードされた遺伝子発現低下が回復し、ミトコンドリアの修復、複製にかかわるSLC25A4、NRF1、OPA1発現も正常化した。また、アポトーシスに関わるp53、p53AIP、DAPK1、SEMA6は発現が抑制され、アポトーシスの抑制が示唆された。マクロファージ活性化を示すIL-18,IFN-γ,TNFを中心とするネットワークの異常も回復した。(2)SLEでインターフェロンとTNFのネットワーク異常を明らかにした。SLEにおいてもミトコンドリアの機能異常の存在を見出した。2)カルシウム結合タンパクS100ファミリーの機能解析:S100A4はRAと多関節型JIAで高発現し、IL-6阻害治療で低下する。S100A4のsiRNAを破骨細胞に導入したところ、分化が抑制された。現在S100A4の遺伝子欠損マウスを作成中であり、関節炎モデルマウスを作製して関節破壊の抑制効果を検討する予定である。3)抗菌ペプチドであるdefensinα1,α3もIL-6阻害により過剰発現が正常化した。defensinα1,α3に免疫グロブリンFc部位をTagとして付加し、発現を安定化させ、非増殖型アデノウイルスに組み込み、defensin発現ベクターを作製した。現在これらの機能を検討中である。
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