研究課題
(1)好塩基球はAPC機能を発揮するのに必要な細胞表面抗原を発現するマウス骨髄細胞をIL-3存在下に10日間培養して誘導した好塩基球が樹状細胞と同様、細胞表面上にMHCクラスIIとCD80/CD88分子を発現することを明らかに、antigen presenting cell(APC)として機能する上で必要な様々な分子を的確発現すにることを確認した。(2)好塩基球はT細胞を特異的にTh2細胞に分化誘導する卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞は好塩基球と共にOVAペプチドと共に培養すると、外からIL-4を添加しなくても好塩基球が産生するIL-4によってTh2細胞に分化することを発見した。一方、IL-4欠損マウス由来好塩基球ではこの様なTh2細胞分化が誘導できないことから、好塩基球が産生する内因性のIL-4の作用でTh2細胞が誘導されたことが明らかとなった。更に、OVAペプチドの代わりにnativeなOVA蛋白を用いても好塩基球はOVA特異的Th2細胞を誘導できることから、好塩基球はprofessional APCとしての必要十分条件を満たすことが明らかとなった。(3)好塩基球上のFcεR1を抗原・IgE抗体で架橋するとT細胞への抗原提示能とTh2誘導能を増強するあらかじめOVA特異的IgE抗体を好塩基球のFcεR1に結合させた後にOVAを加えてFcεR1を架橋すると、好塩基球はより低濃度のOVA蛋白でもT細胞をTh2細胞に著明に分化誘導した。以上の結果から、Th2免疫応答で産生されたIgE抗体は抗原(アレルゲン)と共に好塩基球上のFcεR1を架橋することで塩基球のTh2細胞維持、増強機能が明らかとなった。
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