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2009 年度 実績報告書

糖脂質特異的免疫応答に着目した、新たな抗結核ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21390304
研究機関京都大学

研究代表者

杉田 昌彦  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)

研究分担者 原島 秀吉  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00183567)
松永 勇  京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (00254425)
キーワード細菌 / 感染症 / 糖脂質 / 免疫学
研究概要

宿主生体内で増殖する結核菌や非結核性抗酸菌においては、宿主由来のグルコースを基質としたミコール酸転移反応の結果、グルコースモノミコール酸が産生されることを見出した。そこでこのグルコースモノミコール酸に対する獲得免疫応答を検証する研究を展開した。まずグルコースモノミコール酸をエンドソーム非脱出性リボソームに組み込むことにより効率的に樹状細胞に取り込まれ、CD1b分子を介して特異的T細胞に抗原提示されることを明らかにした。次いで、モルモットにBCGワクチンを接種し、6週後にリボソームに封入したグルコースモノミコール酸を皮内投与したところ、2日目をピークとした皮膚の硬結、腫脹を認め、組織学的には、ツベルクリン反応と同様、単核球の浸潤を主体とした炎症であった。この応答はBCG非接種モルモットでは観察されないことから先行感染を必要とするメモリー応答であり、糖脂質を標的とした新規の遅延型アレルギー応答であることが確認された。所属リンパ節より採取したT細胞をグルコースモノミコール酸で刺激したところ、インターフェロンガンマなどのTH1サイトカインの産生を認めたが、インターロイキン5やインターロイキン10などTH2サイトカインの産生をまったく認めなかった。TH1サイトカインの選択的発現は結核防御に重要であることから、グルコースモノミコール酸が抗結核糖脂質ワクチンの候補分子として有望であることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mycolyltransferase from Mycobacterium leprae excludes mycolate-containing glycolipid substrates2009

    • 著者名/発表者名
      Nakao H, et al.
    • 雑誌名

      J.Biochem. 146

      ページ: 659-665

    • 査読あり
  • [学会発表] らい菌のミコール酸転移酵素によるミコール酸糖脂質の産生2009

    • 著者名/発表者名
      松永勇, 他3名
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2009-10-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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