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2010 年度 実績報告書

糖脂質特異的免疫応答に着目した、新たな抗結核ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21390304
研究機関京都大学

研究代表者

杉田 昌彦  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)

研究分担者 原島 秀吉  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00183567)
松永 勇  京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (00254425)
キーワード細菌 / 感染症 / 糖脂質 / 免疫学
研究概要

抗結核脂質ワクチン候補として絞り込んだグルコースモノミコール酸および関連したミコール酸糖脂質について、モルモットおよびアカゲザルを用いた研究を展開した。グルコースモノミコール酸を多量に産生するBCG株を準備し、それをモルモットに投与したのち、モルモット皮膚にグルコースモノミコール酸を含有したリポソームを接種したところ、典型的な遅延型アレルギー応答が誘起された。この応答は、抗CD1抗体により完全に阻害されたことから、CD1分子を介した応答であると考えられた。他のミコール酸糖脂質に対する応答と異なり、この応答はインターロイキン5やインターロイキン10の顕著な産生を欠如しており、極めてTH1サイトカイン産生にシフトした応答であった。次いで、ヒトへの応用を視野に、グルコースモノミコール酸高産生BCGをアカゲザルに接種し、末梢血における特異的T細胞の出現を、インターフェロンガンマエリスポットアッセイを用いて検証したところ、複数の個体において特異的応答を認めた。しかし精製グルコースモノミコール酸を投与した個体では応答を認めなかった。一方、接種局所ならびに全身的に顕著な副作用を認めることはなかった。以上の研究から、複数の動物種においてグルコースモノミコール酸に対するTH1サイトカイン産生を主体としたT細胞応答を誘起できることが確認された。今後、高度な特異的免疫応答を誘起できる適切なアジュバントの開発が急務と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A microbial glycolipid functions as a new class of target antigen for delayed-type hypersensitivity2011

    • 著者名/発表者名
      Komori T, et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New insights into lipidic secondary metabolites in Mycobacteria2011

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga I, Sugita M
    • 雑誌名

      Curr.Chem.Biol.

      巻: 5巻 ページ: 52-63

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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