研究課題
Wellcome Trust Sanger Institute(UK)より供与されたOCT3/4、SOX2、c-MYC、KLF4、green fluorescent protein(GFP)のcDNAを含むトランスポゾン-プラスミドを用いて末梢血単核球にtransfectionを試みたが、CD19に対するキメラ抗原受容体(CAR)のtransfection効率は17-18%と低値であった。一方、レトロウイルスベクターを用いた場合、細胞核内の染色体に積極的に入り込んだり、あるいは染色体DNAと遺伝的組換えを起こす恐れがある。また、挿入近傍のがん遺伝子が活性化される可能性もある。このため、細胞核の中に入らず、細胞質内で自らのゲノムを複製して大量のタンパク質を作り出すセンダイウイルスベクターを用いてtransfectionを試みた。PTPN11遺伝子変異を有するJMML患者のCD34陽性細胞、T細胞に4遺伝子をtransfectし、放射線照射マウス胎児線維芽細胞をfeeder細胞として、20%knockout serum replacementと5ng/ml basic fibloblast growth factorを含むhuman ES mediumで培養したところ、iPS様細胞(CD34陰性、PTPN11遺伝子変異あり)が得られた。このiPS様細胞を10ng/mlのGM-CSFを添加したAGM細胞上で培養し、JMML患者のiPS様細胞がCD34陽性細胞へ分化し、増殖するか否かを検討している。2009年にJMMLにおける新たな遺伝子異常として、CBL遺伝子変異が報告された。NRAS、KRAS、PTPN11遺伝子が野生型であり、神経線維腫症I型の臨床像を示さなかった12名のJMML患者において、CBL変異のスクリーニングを行ったところ、4名に変異が認められた。このうち、2例は、6-MPなどのnon-intensive化学療法のみで、15年~28年間血液学的改善が得られている。即ち、CBL変異を持つJMML患者の予後が必ずしも不良ではないことが明らかとなった。
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