研究概要 |
1)NLRP3遺伝子変異陰性CINCA症候群における体細胞モザイクの調査(計画A) 海外主要施設より21症例のNLRP3遺伝子変異陰性CINCA症候群DNAの供与をうけ、サブクローニング法で体細胞モザイクの有無を検討した。結果、各国において体細胞モザイクは存在し、また薪規変異においては変異特異的機能検査により疾患関連性を確認した。以上の結果よりCINCA症候群におけるNLRP3体細胞モザイクは普遍的な現象であり、CINCA症候群の病因として重要であることが判明した。 2)体細胞モザイク患者からのiPS細胞作成(計画B) NLRP3遺伝子体細胞モザイク患者2名より皮膚繊維芽細胞よりiPS細胞を樹立、1名より遺伝子背景が同じなNLRP3遺伝子変異陽性及び陰性細胞株を得た。さらにマクロファージ分化系の確立に成功した。現在サイトカイン産生能、LPSによる細胞死誘導能、貧食能、遊走能等の他のマクロファージ機能を検討中である。遺伝背景の同一である疾患特異的及び正常iPS細胞作成は、疾患特異的な機能変異の検討により有効であるだけでなく、遺伝子操作iPS細胞による病態の詳細な解析の基盤となる。 3)NLRP3体細胞モザイクの良い簡便な診断法の確立(計画F) マイクロセルチャンバーを用いた単球の単細胞培養、その後のELISAによるNLRP3陽性細胞の同定を試みたが、同チャンバーでのIL-1βELISAの系の確立が成功せず、計画中止となった。現在患者T細胞を単細胞培養してDNAを回収し直接DNA配列決定する方法、pyrosequencing等の次世代sequencerにて体細胞モザイクを検討することを試みている。 計画A,Bは順調に進み、C、D、Eに進むことが可能になった。計画Fは代替法により進行させている。 計西Gは真のNLRP3変異陰性患者1人よりiPS細胞を作成中である。
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