研究課題/領域番号 |
21390319
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
若松 延昭 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 部長 (60274198)
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研究分担者 |
山田 裕一 愛知県心身障害者コロニー発逹障害研究所, 遺伝学部, 室長 (70191343)
山田 憲一郎 愛知県心身障害者コロニー発逹障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (30291173)
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キーワード | 精神遅滞 / ノックインマウス / SLC19A3 / PLEKHA5 / Sandhoff病 |
研究概要 |
1.PLEKHA5とSFRS18の2個の遺伝子の間で相互転座が見られる最重度精神遅滞の病因を明らかにするために以下の研究を行った。作成した抗Sfrs18抗体を用いてマウス脳を解析し、Sfrs18は脳全体に幅広く発現していることを明らかにした。次に、熊本大学発生医学研究所で、遺伝子トラップ法を用いて作製したPlekha5変異マウスの解析を行った。本マウスは、Plekha5遺伝子の第3イントロンに大腸菌のβ-Galactosidase(β-Gal)遺伝子が挿入されている。C57BL/6Jと戻し交配を行ったマウス(P28)脳を解析した。マウスの遺伝子型はRT-PCR法で決定し、野生型、ヘテロ変異マウスおよびホモ変異マウスと判断されたマウス脳を病理学的に解析した。いずれのマウスにおいても、海馬の形態には異常は見られなかった。また、ホモ変異マウスと判断された海馬には、Plekha5の発現が見られた。以上より、以下の可能性が考えられた。1)RT-PCR法では正確な遺伝子型の判別が困難である。2)\ホモ変異と診断したマウスには、β-GAl遺伝子がスプライシングされず、第3と第4エキソンを含む正常のPlekha5 mRNAが作られ、海馬にPlekha5の発現が見られた。そこで、ゲノムDNAを解析し遺伝子型を決定すべく、β-Galの挿入部位の同定を開始した。 2.家族性の進行性脳萎縮症の症例より同定した変異をノックインしたSlc19a3変異マウス(F1)は、交配によりCreを取り除く過程に入った。 3.モーターニューロン症状を呈する成人型Sandhoff病の症例のHEXB遺伝子の解析を行い、新規のミスセンス変異を同定した。さらに、本変異がHexosaminidase Aを構成するα鎖とβ鎖の重合を阻害することを明らかにし、論文にまとめた。
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