研究課題
基盤研究(B)
重度知的障害が見られる2疾患から2個の病因候補遺伝子(SLC19A3とPLEKHA5)を同定し、同遺伝子に変異を導入した疾患モデルマウスを作製して疾患発症機序の解明を行った。1)症例1には、PLEKHA5とSFRS18との間で相互転座が見られる。マウス海馬初代神経培養細胞を用いた発現実験よりPLEKHA5が病因候補と示唆されたので、エクソントラップ法で作製した(熊本大学)ホモのPlekha5欠失マウスを解析した。同マウスは1年以上生存し、脳にも明らかな異常は認められなかった。以上より、本症例では、PLEKHA5の欠損(ハプロ不全)だけではなく、染色体転座により作られる融合タンパク質の脳での発現が病態に関与していると考えられた。しかし、培養実験とマウス実験の結果が異なることより、Cre-loxP系を用いたPlekha5ノックアウトマウスの解析が必要である。2)症例2より同定したSLC19A3のE320Q変異と相同の変異を持つSlcl9a3ノックイン(NI)マウスを作製した。通常の食餌であるCE-2では、ホモNIマウスは野生型(WT)と同様に1年以上生存したが、食餌中のビタミンB1(以下、B1)量をCE-2の35%まで減量すると全てのホモNIマウスは24日前後で死亡した。以上より、症例ではB1に対する感受性が著しく亢進しており、大量の継続的なB1投与が治療法になることが示唆された。
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